登場者の期待 介護のあり方について、議論に一石を投じられれば

投稿日: 2013/02/18 1:27:38

介護のあり方について、議論に一石を投じられれば

あゆみケアサービス 所長 大谷みちこ

(映画 『ワーカーズ』 に登場)

「あゆみケアサービス」は、在宅の高齢者にヘルパーを派遣。これまでの試写で、労協以外の福祉関係者が「理想的な介護の姿を見た」などとほめてくださって、正直「そんなに特別なことをしているのかな」と戸惑っています。

「あゆみ」の仕事は、一人ひとりに寄り添う。年金や生活保護の手続き代行や、病院へ通院支援、家の電球の取り替えなど、介護保険ではまかないきれず、ボランティアでしていることも多い。でも、それがあたり前と思ってやってきました。

介護は、人と人とのふれあい、つながりです。お年寄りは、いずれ、入院か施設に入るか、亡くなるかして地域から去っていく。それはとめようがない。でも、 ご縁あって、私たちが見守っている間は、長く安心して地域で暮らしてほしい。そのことが、福祉の仕事をする私たちの暮らしの糧にもつながります。介護保険 のほかにも出来ることはたくさんあるのです。

介護や、人と人との関わりに、正解はないでしょう。まず、相手を受け入れること、自分を知ってもらうのはその次だと思います。

とかく、制度のことばかり語られる介護ですが、あるべき姿は何なのか、人と人との向き合い方はどうあるべきか。そういう福祉の原点にさかのぼって、介護の あり方、お年寄りの暮らしをめぐる議論に、この映画が一石を投じられればいい。だから多くの人に観ていただきたいです。 (ワーカーズコープ・日本労協新聞より)